メラトニンで多嚢胞性卵巣症候群時の妊娠率が上がるかもしれない研究結果のご紹介

2023年の論文なのですが、「メラトニン」が不妊治療において妊娠率を上げるかもしれないという研究結果が出てきました。

今回はこの論文の内容についてご紹介していこうと思います。

目次

紹介する論文について

今回紹介する論文は、「The Boosting Effects of Melatonin on the In Vitro Fertilization (IVF) of Women with Polycystic Ovary Syndrome」というもので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方が体外受精をする際のメラトニンの効果について研究されています。

研究結果

対象

PCOSと診断されている320人を二つのグループに分け、一方は「メラトニン3mgとメトホルミン500mgを1日3回内服する群」、もう一方を「メトホルミンのみ内服する群」に分けて検証した。

結果:未成熟卵から成熟卵に達する割合

・メラトニン併用群: 69.6%

・メトホルミンのみ: 57.9%

結果:グレードAと言われる受精後の良好胚が得られる確率

・メラトニン併用群: 40.3%

・メトホルミンのみ: 29.9%

以上のように、メラトニンを使った群の方が体外受精が良好に進むことがわかりました。

メラトニンを内服したい場合

以上の研究は「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」でメトホルミンを使うのであれば、メラトニンも一緒に内服した方が不妊治療には有効であるという内容です。

そこでメラトニンを内服しようという発想になる方がいるかもしれませんが、そこにもいくつか注意点があります。

国内では医療用で処方希望の場合、医師の処方が必要になること

長期的に内服することで効果が期待できるので、最低でも4か月前からは始める必要があること

糖尿病やてんかんなどの病気、現在の服薬状況により併用できない場合があること

以上の3つの注意点があるため、もしあなたが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でメラトニンを服用したい場合は、必ず主治医に相談してください。

生活改善でメラトニン分泌量を増やすなら

メラトニンは夜寝る時に必ず分泌されるものです。そのため生活改善でメラトニンの分泌量を増やすことが出来る場合もあります。

朝起きて光が目に入ってから14〜16時間後に脳深部の松果体からメラトニンが分泌されます。なのでまずは規則正しい生活を送ることが重要になります。

24時以降も起きているとメラトニンの分泌量が減少します。なのでなるべく24時前までに寝る(出来れば22時くらいに)ようにしましょう。

また夜でも網膜がわずかな光でも感知すると分泌が抑制されてしまいますので、布団に入ってからスマホを見るのはNGです。

まとめ

多嚢胞性卵巣症候群時のメラトニンの効果について解説をさせていただきました。

きむら鍼灸では多嚢胞性卵巣症候群の方でも。多数に妊娠実績があります。

メラトニンに頼ることも1つの選択肢かもしれませんが、日本ではなかなか難しいので、鍼灸で妊娠率を高めていくこともお勧め致します。

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