不育症となる原因の1つに「抗リン脂質抗体症候群」があります。
抗リン脂質抗体症候群時に行える対処は多くはないのですが、鍼灸でも出来ることはあります。
抗リン脂質抗体症候群とは、妊娠への影響
抗リン脂質抗体症候群は、自己免疫疾患の一つです。
血液中の凝固因子(血液を固めて血を止める)に異常が出て、胎盤の中に血栓が出来ます。
その血栓のせいで胎内の受精卵・胎児に十分な栄養と酸素を送ることは出来なくなり、着床しない・流産してしまう結果になります。
抗リン脂質抗体症候群の治療
妊娠のための抗リン脂質抗体症候群の治療は、投薬療法です。
バイアスピリン(低用量のアスピリン)という血をさらさらにして血栓を予防する薬が使われます。
クリニックによって飲むタイミングの指導が違うことがあるのですが、胚移植の2・3日後からの服用だったり、妊娠判定後からの服用が一般的です。
抗リン脂質抗体症候群で不育症となっている方は、この治療で出産率は70~80%にまでなります。
抗リン脂質抗体症候群に鍼灸で出来ること
①身体の妊娠力の底上げ
肩こり・腰痛などの疼痛や冷えの改善、自律神経バランスの調整を行い、卵巣内環境・子宮内環境を改善することで、妊娠しやすい体・妊娠を維持しやすい体を目指すことが出来ます。
抗リン脂質抗体症候群であっても妊娠維持率を少しでも上げていきます。
②自己免疫疾患の改善追求
すぐに効果が出るものではなく長期的な施術が必要になるのですが、鍼灸で免疫機能の適正化を目指します。
免疫が適切に働くようになれば、血栓予防につながっていきます。
抗リン脂質抗体症候群の時の通院ペース
抗リン脂質抗体症候群の際は、「妊娠力の底上げ」「免疫機能の適正化」の2つが目標となり、この2つの場合は少し時間がかかります。
週1回のペースでまずは半年続けてみましょう。
最初は肩こりや腰痛などの症状改善からはじまり、少しずつ身体の状態が良い方向に変わっていくことを実感できるでしょう。
その結果身体の妊娠力が高まり、妊娠の維持につながっていくでしょう。
※鍼灸はクリニックでの投薬治療と併用をお勧めします。