35歳、女性、主婦、挙児希望
身長160cm、体重54kg
【初診】 X年12月20日
【治療期間】 X年12月20日~X+1年3月13日、治療回数13回
【月経】 周期30日、月経日数7日間、月経痛有(下腹部と腰部に重だるい痛み)
【既往歴】 特記すべきものなし
【家族歴】 特記すべきものなし
【婦人科での治療歴】不妊期間1年11か月
タイミング療法約半年を経て、人工授精5回
体外受精―採卵3回→8分割卵4個を凍結
移植3回→いずれも判定は陰性
男性不妊(乏精子症)、黄体機能不全疑い
【一般症状】 不妊治療におけるストレスを感じる。
肩こり・腰痛の自覚はない。疲れやすい。
殿部~大腿後面と足趾末端の冷えを感じる
【所見】:全体的に色白で細身。背部は触れるだけでくすぐったい。舌尖紅。
【治療・経過】
第1回 X年12月20日
ステンレス鍼寸3―0番鍼(40mm―14号鍼)を用いて、
三陰交、足三里、血海、曲池、合谷、百会、腎兪、志室、次髎、中髎に置鍼。
三陰交、湧泉に点灸を5壮ずつ行う。
スーパーライザーを星状神経節、水道穴に照射。サンビーマーを10分照射する。
第5回 X+1年1月21日
二日後の移植に向けて、着床のアシストを目的として、上記経穴の他、パルス(箕門―血海)、中髎穴へ2寸―8番鍼を用いて左右交互に雀啄施術を行う。
第6回 X+1年1月23日
凍結胚(8分割胚)移植を行う。移植日当日、当院にて鍼灸治療を行う。
パイオネックス0.9mmを三陰交、腰兪に貼付。
第9回 X+1年2月13日
前日の受診で胎嚢確認。
第13回 X+1年3月13日
不妊治療クリニックを卒業し、産科への転院と同時に、当院の治療も終了する。
【考察】
今回の場合、冷えの改善が上手くいき、移植時には患者の大腿部冷えが気にならなくなったと仰っていた。冷えを改善し、高温期が順調になることによって、着床につながったのではないかと考えている。