【主訴】
挙児希望
【既往歴】
子宮筋腫
【現病歴】
X‐3年クリニックを受診したところ、子宮筋腫が見つかり手術を行う。
術後、タイミング法や人工授精を行うが結果は出ず。
X‐2年に体外受精をはじめ、1度目の移植で陽性反応が出る。
しかし心拍確認後流産して手術を行う。
X年2度目の体外受精を控え当院に来院。
【所見】
足先の冷え、上腹部の張り感
【治療方針】
採卵予定があるため卵巣血流改善と免疫寛容を目的として治療を行う。
【治療経過】
SLにて星状神経節と子宮穴への照射。陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
体の冷えやコリなどの不定愁訴に対する治療も随時行った。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで7回行った。
その後移植を行うため、
SLにて星状神経節と大赫穴への照射。下腿と仙骨周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで7回行った。
その後分割胚移植を行い妊娠反応陽性、胎嚢、心拍が確認できた。
【考察】
採卵にむけて卵巣血流改善を行ったことが妊娠につながる良好胚の採取に貢献できたと考える。
また不妊治療における年齢の上昇は、性機能の低下などを推測するうえで必要な要素であるが、
実際のホルモン値や内膜症の有無などの基本的な検査の結果がどうであるかが重要である。
もし、40歳までに無月経などが続き、早期卵巣機能不全などがある場合は早急な治療を行う必要があり、
不妊治療の治療段階を上げることなども視野に入れておかなければならない。
年齢の上昇は流産や死産、また子宮外妊娠などのリスクも高くなるが、実際のホルモン値などに
合わせた治療を行うことが重要であると考えられる。