【初診】 X年3月27日

【治療期間】 X年3月27日~X年8月28日、治療回数18回

【月経】 周期28日、月経日数5日間、月経痛無

【既往歴】 特記すべきものなし

【家族歴】 特記すべきものなし

【婦人科での治療歴】不妊期間約1年6ヶ月

人工授精3回

体外受精―採卵2回、移植2回→判定(―)

主治医より原因不明といわれる。

【一般症状】 職業柄、肩こり(特に右肩上部)を感じる。

足末端の冷えを感じる。腰痛持ち。

【所見】:両側の下腹部に硬結。肩上部及び脊柱起立筋硬い(腰部)。白苔舌。

【服薬】クロミッド、当帰芍薬散、八味地黄湯

 

【治療・経過】

第1回 X年3月27日

鍼灸治療を開始する。点灸を足と下腹部に5壮ずつ行う。自宅施灸を行うよう指導する。

ストレスや塞がった感を訴えていたので、毎治療ごとに疏肝理気を目的とした鍼灸施術を行う。

 

第10回 X年6月26日

6月20日に採卵。4個採卵できたうち、3個胚盤胞にて凍結。肩こりの治療に加え、移植に向けて、置鍼、パルスを用いて鍼灸施術を行う。

 

第14回 X年7月24日

前日の7月23日に凍結していた胚盤胞移植を行う。移植翌日に鍼灸治療。移植後の置き鍼治療も行う。星状神経節にスーパーライザーを照射。

 

第18回 X年8月28日

8月11日の受診で胎嚢確認。胃がムカムカし、油っぽいものが食べたいとのこと。8月25日の受診で心拍確認し、当院での治療終了。

 

【考察】

胚盤胞まで卵が育たなく、移植までたどり着けないとのことで来院。ストレス解消、肩こり軽減、骨盤内血流改善を目的とした鍼灸と、6月中旬より導入したスーパーライザーの星状神経節照射が、卵質改善(胚盤胞を得られた)ことと着床の補助に役立ったのではないか。

※(胚盤胞数/採卵数/採卵回数)について、鍼灸前(0/6/2)→鍼灸後(3/8/3)