【主訴】
挙児希望
【既往歴】
子宮筋腫 チョコレート嚢胞
【現病歴】
X-3年結婚、その年の12月妊活開始。タイミング法を進める。
X-2年6月にクリニックを受診し人工授精に切り替える。
人工授精を3回行うが結果が出ず。
X年体外受精を控え当院に来院。
【その他症状】
肩こり 偏頭痛
【治療方針】
採卵に向けた卵巣の血流改善と不定愁訴の治療を行い、卵巣血流改善および免疫寛容を目的として治療を行う。
また移植にむけた子宮循環改善および免疫寛容を目的として治療を行う。
【治療経過】
採卵にむけての治療
SLにて星状神経節と子宮へ照射。陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
肩こりや不定愁訴に対する治療も随時行った。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで採卵まで9回行った。
移植にむけての治療
SLにて星状神経節と大赫へ照射。下腿と仙骨部周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
肩こりや頭痛などの不定愁訴に対する治療も随時行った。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで移植まで5回行った。
鍼灸14診目で胚盤胞移植を行い、その後妊娠反応陽性、胎嚢確認、心拍を確認した。
【考察】
採卵に向けて卵巣の血流改善を目的として治療を行い、
採卵数が10個、受精卵数が9個、胚盤胞到達数が5個。一度目の移植で妊娠反応を確認することができた。
一般的に卵巣嚢腫やチョコレート嚢胞がある患者は採卵した際、胚のグレードが高くないという傾向があるが、
継続して卵巣血流の循環を改善させ、また不定愁訴などの筋緊張緩和の治療を行ったことで
良好胚の採取につながったと考える。
また子宮筋腫は種類や大きさによって自覚症状や不妊にどれだけ影響してくるか変わってくる。
粘膜化筋腫や筋層内筋腫にあたるものだと強い生理痛、不正出血、流産また早産になる可能性が
高いので不妊治療を始める前に、思い当たる症状がある場合は早めに検査を受けるべきである。