こんにちは。きむら鍼灸・自治医大前鍼灸院の木村です。

恥ずかしながら、私も頭痛持ちです(涙)

これでも以前よりは頭痛の回数減りました!トマトジュースを毎日飲んでいるのも良いのかな。。。

 

今回は鎮痛薬と男性不妊についてお話しますね。

男性不妊でクリニック受診したことのある方は、注意すべきこととして喫煙・アルコール、食生活、睡眠など日常生活についてのアドバイスはされた経験があることと思います。しかし、薬について気にしたことはないのではないでしょうか。

米科学アカデミー紀要で、頭痛薬に配合されているイブプロフェンが男性不妊と関係があると発表されました。

これまで妊娠中の女性が、イブプロフェンを服用すると胎児に奇形が起こる可能性があったり、赤ちゃんの生殖機能へ悪影響が起こる可能性があると指摘され、服用を控えるように指導されていました。その原因としてあげられていたのが、イブプロフェンがホルモン(内分泌系)へ異常を与える可能性です。男性不妊の原因としてホルモンの異常が上げられてきましたがイブプロフェンが男性へ与える影響は検証されてきませんでした。

今回、David M. Kristensen博士はイブプロフェンが男性の生殖機能に及ぼす影響を調べる実験をおこないました。

実験では健康な若い男性31人を2つのグループに分け、一方のグループには1日に2回、600mgのイブプロフェン、もう一方のグループには偽薬を6週間服用してもらいました。この実験期間中、定期的に血液検査で血中ホルモン値を測定したところ、イブプロフェンを投与したグループは投与後2週間で23%、6週間で33%も血中の黄体形成ホルモン(LH)の値が高くなりました。

黄体形成ホルモンは精巣の中で男性ホルモンであるテストステロンを生み出す、ライディッヒ細胞を刺激するホルモンなのです。このライディッヒ細胞の働きが低下し、脳からの命令で黄体形成ホルモンが増える状態が持続するようになると、黄体ホルモンが分泌されていてもテストステロンの値が低くなる性腺機能低下症がおこります。こうしたことを踏まえてライディッヒ細胞の機能を調べたところ、イブプロフェンを投与していたグループは投与後2週間で18%、6週間で23%もライディッヒ細胞の機能が低下していました。このことからイブプロフェンを服用することでライディッヒ細胞の機能が低下し、ひいては男性のもつ性腺機能が低下する可能性があることが分かってきました。

今回の実験を通して、イブプロフェンを長期間にわたって服用することで性腺機能低下や性欲低下につながる可能性があることも分かりました。そのため、頭痛や歯痛、腰痛など身体に痛みが起こった際に頭痛薬を飲むのではなく、日頃から鍼灸治療などを用いて体質改善をして、痛みが起こりにくい身体にしておくこと、仮にコリや痛みが感じてもすぐに解消できるようにしておくことが男性不妊の対策にもつながると考えております。