こんにちは。木村です。

施術中に患者さんからよくある質問の一つに「うちくるぶしから指4本のツボ(三陰交)は妊娠中に使っていいの?ネットで調べると堕胎のツボってあるものもあるけど。。。」というものがあります。患者さんも自分の治療とあってよく勉強されていますね。三陰交は妊娠中は禁忌なのかについて述べてみたいと思います。

1979年に中国の一人っ子政策の中に中絶を目的として300人に三陰交へ施術を行ったが、一人も流産しなかったというものがあります。1983年に再度50名で試みたのですが、流産しなかったとのことです。

産婦人科医師の故石野信安先生の著書『女性の一生と漢方』(現在は絶版になっております)によると、三陰交は安産のツボとして紹介されています。以下一部抜粋します。

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妊娠中に妊婦が三陰交にお灸をすえることは、母体のみではありません。生まれてくる子供にも著しい効果がみられるのです。よくわかるのは、子供の胃腸が丈夫で、リズム感が発達し、からだが敏しょうに動くことなどです。お灸をすえた人と、すえない人では、子供にはっきりその違いが出ます。

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以上のことから、三陰交は古典で伝説的に堕胎のツボのような表記をされていますが、実際は中絶目的に使用しても堕胎しなかったどころか、安産に導くツボだったということです。当院が所属しているJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)でも、現時点では堕胎のツボという裏付けはなく、むしろ骨盤内血流を良くする重要なツボとして認識して使用しています。