【主訴】
頭痛 後頭部の重だるさ
【既往歴】
外傷性網膜剥離
【現病歴】
X-1年に仕事でのストレスや不安感から不眠症になり、心療内科に通院。
それ以前から慢性的な頭痛があったが、この頃より気になるように。
病院で脳の検査を行ったが検査上特に異常はなく、症状に対しては服薬を行っていた。
X年に少しでも症状が軽くなればと思い、当院に来院。
【その他症状】
肩、首の疲れやすさ 腰痛
【治療方針】
筋肉の緊張緩和を促し、頭部と背部の血流改善を行うことを目的として治療を行う。
【治療経過】
SLにて星状神経節と背部全体に照射。後頭部から後頚部、肩上部から肩甲内縁の刺鍼を行う。
前頭部から側頭部への刺鍼を行った。
腰痛や眼精疲労に対する治療も随時行った。
痛みや辛さの指標であるNRS(10段階で自覚的な痛みを評価する)を施術時にとり、その変化を観察した。
[参考]NRS⇩
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
痛くない | 僅かに痛い | まあまあ痛い | 痛くて辛い | かなり痛い | 耐え難く痛い |
経過 | 痛みの度合い | 施術数 |
初鍼での段階 | (10) | 1鍼目 |
約一か月後の段階 | (7) | 11鍼目 |
約二か月後の段階 | (6) | 16鍼目 |
約三か月後の段階 | (3) | 19鍼目 |
初診から三か月の経過を観察した結果、当初の段階10から3の段階への
変化が確認できた。
【考察】
SLにて星状神経節と背部全体に照射。後頭部から後頚部、肩上部から肩甲内縁の刺鍼を行う。
前頭部から側頭部への刺鍼を行い、腰痛や眼精疲労に対する治療も随時行った結果、
当初のNRSの段階10から、約3か月後に3の段階への変化が確認できた。
NRSの指標においては、最初にどれくらいの段階の辛さを訴えているかにもよるが、
治療において2や3になる程度まで行うのが理想的である。
当症例では初段階において最も高い点でのつらさを訴えていたが、現在当初より大幅に指標が下がっている。
これには定期的に鍼施術を受け続けたことが要因の一つとしてある。
頭痛の起きる原因は人によって様々にあるが、慢性的な筋のコリや血流の悪さは
鍼施術による血流の改善で症状の緩和に貢献できると考えた。