【患者像】33歳、男性
【既往歴】精索静脈瘤(3年前に手術済)
【現病歴】結婚後、挙児希望して男性不妊外来を受診。精液検査の結果不良により、精索静脈瘤が見つかり手術した。その後の精液検査では、以前に比べ多少改善したものの、WHOの精液の基準に満たなかった。特に精子濃度、運動率が基準値より大きく低下していた。これまでのサプリメントの服用に加え、何かできることはないかと考え、鍼灸治療を希望して当院へ来院した。
【その他の症状】頭痛・肩こり・腰痛、耳鳴り、花粉症
【治療】鍼灸SL併用療法にて、コリの改善と血行促進を目的に治療を行った。体全体の底上げを図るため、SLで星状神経節照射を行うことで交感神経抑制を図りながらも、肩こり・腰痛・コリに対しては適宜鍼治療を行った。そして男性不妊に有効と学会で報告のあった手法に基づき、該当箇所に鍼通電を行った。治療頻度は週1回。
【経過】鍼灸治療前と鍼灸治療4回後の精子濃度と運動率の精液検査を比較する。
治療前 4回治療後
精子濃度 10×10⁶/ml 36×10⁶/ml
運動率 30% 72%
自然妊娠が期待できる数値まで回復した。しかし男性の場合は、心身の状況によりばらつきが大きいので、今後も経過を追いかけていく予定。