【主訴】

挙児希望

 

【既往歴】

子宮筋腫

 

【現病歴】

X-1年結婚。クリニックを受診し卵管に詰まりがあると指摘される。

X年にAMHが低いことから体外受精を視野に入れ

当院に来院。

 

【その他症状】

足部の冷え

 

【治療方針】

採卵に向けて

①卵巣血流改善

②免疫寛容のために不定愁訴の改善

この二つを目的として治療を行う。

 

【治療経過】

採卵に向けた治療

SLにて星状神経節と子宮穴への照射。陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。

体の冷えやコリなどの不定愁訴に対する治療も随時行った。

鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで12回行った。

移植に向けた治療

SLにて星状神経節と大赫穴への照射。下腿と仙骨周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。

鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで3回行った。

その後胚盤胞移植を行い妊娠反応陽性、胎嚢、心拍が確認できた。

その後はつわり症状への治療を行った。

【考察】

移植に向けて子宮の循環改善を目的として治療を行ったことが、移植判定結果に貢献することができると考えた。

AMHの値を知ることは現在自分自身の卵巣年齢がどれくらいで、

どの段階の治療が適しているのかを知ることに通ずる。

AMHが低いことは考えられる原因に過度なストレス、閉経が近いなどがあり、

結果として採卵数が取れないことにつながる。

逆にAMHが高いと多嚢胞性卵巣症候群などが考えられる。排卵困難な場合もあるため服薬での治療を

することになる。

また体外受精に移行した後もAMHの値によってどの卵巣刺激方法が適しているのかも

変わってくるので必須のホルモン値といっても過言ではないだろう。

様々な原因が考えられるが、

過度なストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ、栄養不足はAMHの低下につながると考えられるため

普段からセルフケアを行い、心身ともに健康を保つことが大切である。