【主訴】
挙児希望
【既往歴】
腰椎椎間板ヘルニア
【現病歴】
X-2年結婚。不妊検査を行うためクリニックを受診する。
この間タイミング法や人工授精を何度か試すも結果につながらず。
X-1年に2度の体外受精を行うが結果につながらず転院
X年に3度目の体外受精を控え当院に来院
【その他症状】
坐骨神経痛
【治療方針】
採卵に向けて
①卵巣血流改善
②免疫寛容のために不定愁訴の改善
この二つを目的として治療を行う。
【治療経過】
SLにて星状神経節と子宮穴への照射。陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
坐骨神経痛などの不定愁訴に対する治療も随時行った。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで31回行った。
採卵後、移植に向けた治療として
SLにて星状神経節と大赫穴への照射。下腿と仙骨周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで5回行った。
その後胚盤胞移植を行い妊娠反応陽性が確認できた。
【考察】
採卵に向けて卵巣の血流改善を目的として治療を行ったことが、良好胚の採取につながったと考える。
加えて移植に向けた治療を行うことで移植判定の結果に貢献することができると考えた。
この患者は元々不定愁訴が多く、自律神経を整えて妊活をしたいという思いから当院に来院した。
ホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れは、睡眠不足や偏食傾向、また慢性的な疲れなどを代表に
引き起こされることは多く、第二子希望で来院される方などでも育児ストレスからこの傾向があることが多い。
鍼灸施術は不定愁訴の改善を行いその結果として自律神経が整うことで、妊活に貢献することができると考えた。