【主訴】
挙児希望
【既往歴】
特記すべきことなし
【現病歴】
X-5年結婚。
X-2年妊活を開始しタイミング法を進めていた。
X年に人工授精を3回行うが結果につながらず当院に来院
【その他症状】
首肩コリ
【治療方針】
採卵に向けた卵巣の血流改善と不定愁訴の治療を行い、卵巣血流改善および免疫寛容を目的として治療を行う。
【治療経過】
SLにて星状神経節と子宮穴への照射。陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
肩こりや冷えなどの不定愁訴に対する治療も随時行った。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで10回行った。
採卵後、移植に向けた治療として
SLにて星状神経節と大赫穴への照射。下腿と仙骨周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで4回行った。
その後胚盤胞移植を行い妊娠反応陽性、胎嚢が確認された。
【考察】
採卵に向けて卵巣の血流改善を目的として治療を行ったことが、良好胚の採取につながったと考える。
加えて移植に向けた治療を行うことで移植判定の結果に貢献することができると考えた。
検査で大きな問題が見つからず不妊治療において思うような結果が出ない場合では、
原因不明の不妊症として、さらに詳しく検査を行うか治療の段階を上げる、
もしくはタイミング法などを続けて様子を見ることになる。
この患者の場合では治療の段階を上げ、体外受精に移行したことが結果につながった。
また日本産婦人科医会調査での原因不明の不妊は全体の約10~25%を占めており、
パートナーと理解を深めながら治療を行うことが重要である。
【引用】
日本産婦人科医会 不妊の原因と検査