【主訴】

挙児希望

 

【既往歴】

卵巣腫瘍(奇形腫)

 

【現病歴】

X-3年結婚

X-2年妊活開始

X-1年にクリニックを受診しタイミング法を何度か、人工授精を3回行うも結果が出ず。

X年体外受精に移行し、8月の移植で妊娠反応陽性確認するも8週で流産。

年末に2度目の移植を控え、子宮内環境を整えたいと考え当院に来院。

 

【その他症状】

腹部、足部の冷え

 

【治療方針】

移植にむけた子宮循環改善および免疫寛容を目的として治療を行う。

 

【治療経過】

移植にむけての治療

SLにて星状神経節と大赫へ照射。下腿と仙骨部周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。

肩こりや冷えなどの不定愁訴に対する治療も随時行った。

鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで移植まで35回行った。

鍼灸36診目で胚移植を行い、その後妊娠反応陽性を確認した。

 

【考察】

胚移植に向けて子宮循環改善の治療を中心に行ったことで着床しやすい子宮環境につながったと考える。

8週で流産をした際にD&C(子宮内容除去術)を行っており、この操作ではその後の子宮内膜の発育に

影響が残り、内膜の肥厚しづらさなどにつながると考えられている。

鍼灸施術では子宮循環の改善を行うことで子宮内膜の肥厚に貢献できると考えた。

また流産歴があることから、流産率が比較的高い7週~10週までは鍼治療を継続して行うことが望ましい。