【主訴】
挙児希望
【既往歴】
特記すべきことなし
【現病歴】
X‐6年ご結婚
X‐3年クリニックを受診し、タイミング法を行っていた。
X‐1年クリニックを転院しタイミング法を行うも妊娠せず、
X年に人工授精を控え当院に来院
【所見】
後首部から肩上にかけてのコリ感
【治療方針】
採卵に向けて卵巣血流改善の治療を行い、
その後は凍結胚盤胞を予定した子宮循環改善と免疫寛容を目的として治療を行う。
【治療経過】
・採卵に向けて
SLにて星状神経節と子宮穴への照射。下腿と陰部神経支配領域に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで21回行った。
・移植に向けて
SLにて星状神経節と大赫穴への照射。下腿と仙骨周辺に刺鍼を行い低周波鍼通電療法を行う。
鍼灸SL併用療法は5~7日に一回のペースで5回行った。
その後胚盤胞移植を行い妊娠反応陽性、胎嚢、心拍が確認ができた。
【考察】
当初は人工授精を控えて当院に来院されたが体外受精に移行したので、
治療内容も体外受精へ内容を変えて治療を行った。
胚盤胞移植に向けて子宮循環改善の治療を中心に行ったことで着床しやすい子宮環境につながったと考える。
タイミング法、人工授精から体外受精にステップアップする機会については、
以前では、人工授精を5~10回程度行って結果につながらなければ移行する目安だと考えられてきた。
現在では晩婚化による影響などで、3回ほどの人工授精が体外受精の目安ともいわれ、
回数が減少傾向にある。また体外受精の保険適用などもあり、初めて高度生殖医療を
行う患者にとって体外受精に移行しやすくなったことも考えられる。
年齢や人工授精にかけた回数などは体外受精移行への判断材料としてもちろんだが、
ホルモン値や病歴による妊娠への影響を視野に入れてその時自身の体調に合わせた
妊活をすることが重要である。