【初診】 X年12月19日
【治療期間】 X年12月19日~X+1年5月9日、治療回数16回
【月経】 周期35日、月経日数5日間
【既往歴】 特記すべきものなし
【家族歴】 双子の従妹あり(叔母の子)
【婦人科での治療歴】X-1年に流産あり。
クリニックではタイミング療法のみ。
ホルモン検査、卵管造影検査、男性不妊ともに異常なし。
【患者様の訴え】 仕事上赤ちゃんをキャッチすると、正直羨ましさとストレスを感じることがある。
仕事で夜勤業務があるため、不規則。夜勤後は疲れて、眠い。
通常でも疲れやすい。手足の冷えを感じる。腹部は冷えを感じない。
【所見】:全体的に色白で細身。臍の上に硬結あり。
下腹部を軽く圧迫するだけでへこむ→力がない
【治療・経過】
第1回 X年12月19日
鍼灸治療を開始する。点灸を足首と足底に5壮ずつ行う。下腿内側に棒灸を行う。自宅施灸を行うよう指導する。
第2~5回 X年12月26日~X+1年1月23日
第1回と同様の治療を5回行う。
第6~10回 X+1年2月2日~X+1年3月8日
なかなか冷えが改善されないので、これまでの治療に加え、下腿内側と下腹部に灸頭鍼を追加して行う。腹臥位の治療時に、骨盤部にサンビーマーを照射。
第15回 X+1年4月25日
4月3日に月経。4月19日(D17)に人工授精(AIH)行う。刺激量を多くないように注意して、鍼灸治療を行う。着床補助を目的として置き鍼を貼付。
X+1年5月7日陽性判定。その後、胎嚢確認。当院での治療終了。双胎の出産報告あり。
【考察】
X+1年3月末日で6年間務めた産婦人科を退職した。産婦人科では夜勤業務があったため生活が不規則だった。退職後は、昼夜逆転のない規則的な生活とスポーツジムでの運動を行う。退職を期に、勤務先の産婦人科での受診から、不妊専門医へ転院し、フーナーテスト不良が発覚。そこで初めて人工授精を行い、妊娠した。不妊専門医での受診をされてなければ、一度は不妊専門医の受診を勧めるきっかけになった。