ギックリ腰を早く治す!やっていいこと悪いこと完璧マニュアル【川口陽 ...

ぎっくり腰とは

急に重い物を持ち上げた時や腰をねじる動作をした時に、突然腰が痛くなってその場で動けなくなったり、歩くのも大変になってしまう。「突発的に」「痛い」のが特徴です。正式には急性腰痛症と言います。欧米では「魔女の一撃」と呼ばれています。

注意しなければならないのは、時間経過しているにもかかわらず痛み・しびれの改善が見られない場合や、下肢に力が入らないなどの症状があったりするときは、圧迫骨折や椎間板ヘルニアなど他の原因が隠れていることがありますので、医療機関での受診が必要になってきます。

 

ぎっくり腰の原因

・筋疲労の蓄積

車の長距離運転、デスクワークなど長時間同じ姿勢での仕事や家事などにより、自分で気が付かないうちに疲労が蓄積します。筋疲労が蓄積していくと、ある日突然キャパオーバーになりぎっくり腰を発症します。

・関節や椎間板の負荷

腰部周囲にある関節や椎間板に必要以上の負荷がかかり捻挫や損傷を引き起こしたときに発症します

・日常生活におけるストレス

ストレスによって筋肉は緊張していきます。腰の筋肉が緊張状態になることで、柔軟性が低下していきます。ある日ものを持ち上げた拍子に負荷がかかることでぎっくり腰を発症します。

 

急性腰痛と慢性腰痛の違い

同じ腰痛でも急性腰痛と慢性腰痛では、痛みの程度と原因の深さが異なります。急性腰痛は慢性腰痛に比べて、動くのも大変なくらい痛みが強いです。ただ急性腰痛の原因はとてもシンプルです。負担のかかっているところの原因を除去していけばいいのです。慢性腰痛の場合は、長い年月をかけていろいろな原因が複雑化しているので、治療を行っていく過程で絡まった糸を1本ずつ紐解いていく(除外していく)という作業が必要になります。

 

当院での鍼灸治療

ぎっくり腰は何もしなくても2週間程度で回復します。

にもかかわらず、「なぜぎっくり腰に鍼灸」なのでしょうか?

ぎっくり腰に手技と鍼灸を行うことで、痛みを早期に減少させるからです。

安静にしているよりも、はるかに鍼灸の方が痛みの減少が早いです。早期回復につながります。

 

まず痛みをできるだけ早く軽減させること

痛みが軽減することで動けるようになる

よって仕事や家事が行えるようになる。

 

当院ではコリに着目して治療を行います。コリの正体はまだすべてが明らかになっているというわけではなく、むしろまだまだ未解明です。コリはfasciaの癒着による異常という説があります。

※fasciaとは人体を構成するすべてのものを包む膜です。主に筋肉を包む膜という意味合いで使われる場合が多いのでfascia=筋膜(厳密には筋膜はmyofasciaと表記されます)と思われがちですが、筋肉以外にもfasciaは無数に存在します。心臓を包む膜、胃を包む膜、、、fasciaが存在しています。すなわち体のあらゆる包む膜の総称がfasciaなのです。

 

ぎっくり腰では癒着して硬くなったmyofascia(筋膜)を鍼と手技で緩める治療を行います。

手技で硬くなった部分を確認しながら外から緩めていきます。鍼で刺入することにより体内の筋膜や筋肉内へのアプローチを行います。

身体の内外から刺激することでぎっくり腰の原因となっているmyofasciaの改善を図ります。

ここでぎっくり腰の治療を行うにあたり、

「コリのエリアはどの範囲まで広がっているのか」

「コリの深さはどうなっているのか」

をしっかり捉える必要があります。それによってアプローチするエリア、深さが変わってきます。

ぎっくり腰では腰部だけでなく殿部にまでエリアが広がっていることが多いです。

ぎっくり腰タイプ別予防マニュアル。あなたのぎっくり腰の本当の原因は?

治療ポイントを見極めてから、徹底的にコリを緩めていきます。

痛みの軽減や動きやすさなどをチェックしながら、期待する反応が得られない場合は再度検証して、治療を行っていきます。

当院では初回来院時の自覚する痛みを10とするなら2~3回治療して3以内になる方が約9割程度です(治療効果は個人差があるので絶対的なものではありません)。

とにかく日常生活への支障を最小限にするには、できる限り早い回復が必要です。短期間で結果を出すために徹底的に治療を行います。

 

治療の流れ

①情報収集

問診、必要に応じて徒手検査、病院での検査をしていればその結果などを伺います。

②病態把握・推測

①で得た情報をもとにぎっくり腰(急性腰痛)なのか、それ以外に隠れた病や原因があるのかを推測します。

③治療方針説明と同意

②で得たことに基づいて、当院で行う治療方法と、その治療を行うことによるメリット・デメリットを丁寧に説明します。患者様から同意を得られ上で鍼灸治療を行います。

※説明を聞いた時点で、患者様は治療を拒否することができます(患者様には治療をどうするかを決定する権利があります

④鍼灸治療開始(写真は特鍼治療になります)

上記は両側同時に全体的に刺入した状態ですが、エリアや深さを見極めて治療を行います。

⑤セルフケア

日常生活におけるアドバイスをいたします。