【現病歴】
結婚後一年ほどして妊活開始。タイミング療法を行い、その後人工授精にステップアップする。
人工授精を4回実施するも結果が出ず、体外受精に切り替えた。採卵二回、移植を二回行うが陰性。
X-3年に都内のクリニック転院をするタイミングで当院初鍼。週1回のペースで鍼灸治療を行う。3か月後に採卵と移植を行い妊娠陽性になり、X-2年女児出産に至る。
二人目の挙児希望で、X年当院を再鍼。
【その他症状】
仙腸関節痛、下腹部と足の冷え、肩のこり感
【治療・経過】
週1回のペースで鍼灸SL併用療法を行った。妊娠~出産を受け入れるための体質改善を目的として、まずは出産後の股関節痛や腰痛の治療を行った。
その後は一人目採卵時に凍結してあった胚盤胞を移植するに向けて、着床サポート鍼灸を開始する。
当院での鍼再開後、12回目の鍼灸治療後に凍結胚移植を行う。
その後妊娠陽性となり、胎嚢確認し、現在も妊娠継続中。
【考察】
次の妊娠に向けて、再来院時の右の腰痛・仙腸関節痛・股関節痛と中途覚醒の改善を図る治療を先に行った。股関節を曲げるのが大変だったのが改善し、よく眠れるようになった。年齢的なことを考えるとどうしても早く移植したいという気持ちが出てくるかもしれないが、結果的には急がば回れで、先に妊娠を受け入れられるための底上げを図れたのが良かったのではないか。その後着床サポート鍼灸に切り替え、移植直前の子宮内膜は12mmまで肥厚したとのこと。鍼灸SL併用療法では鍼灸でのコリ改善や血行促進、SLでの免疫寛容や鍼灸の作用を補助的に増幅させたこと、などが総合的に功を奏したのではないかと考えている。