●主訴:2週間前より右耳の中・低音が聞こえにくい

●既往歴:特記すべきことなし

●現病歴:2週間前より低音性感音性突発性難聴を発症。直後に耳鼻科受診し、紹介された総合病院耳鼻科に転院し、1週間入院。その間、点滴にてステロイド治療を行う。退院後も、総合病院に通院をするが、改善が見られない。

●所見:耳鳴り、耳閉感、自声強調、首肩こり。20年前より腰痛(寝床が硬いと痛い)。過労、睡眠不足とのこと。

●治療と経過:初診より鍼レーザー併用療法を行う。それと同時に、首肩こり治療も行う。3診目、耳鳴り、耳閉感が低下し、高音域がさらに聞こえやすくなったとのこと。その後、高音域より中音に向かい、聞こえる範囲が広がってきたとのこと。7診後に耳鼻科受診。オージオメーターで初診時に500Hzが50db→40db、1000ヘルツは変化なし、2000Hzが40db→30dbまで改善。会話に不自由がなくなってきた。静かなところであれば会話に問題ないが、うるさい環境では高音と低音が交差する。

●日常生活で気にしていただいたこと:突発性難聴のリスクに「3K」「3S」がある。
「3K」とは、肩こり、過労、かぜ
「3S」とは、酒、睡眠不足、ストレス
のことである。この方の場合、お酒は飲まないが、仕事がとても忙しく、過労とストレス(1日7時間以下の睡眠では突発性難聴の発症リスクが高まる)の傾向が強いとのこと。なので、睡眠を1日7時間以上は確保していただくこと、首肩こりをなるべく低減できるよう、スマホみる時間を少なくするように提案した。